#1 破片

 

 今年の冬は比較的暖かいですよね。

去年はもっと雪も降ってたし、東京はもっと寒いものだと思ってました。

 

今日はたった今思ってるあの人への気持ちを

すべてここに書こうと思います。

 

出会いは5年前。そんなロマンチックな出会いではなかったけど 直感で絶対この人のこと好きになるだろうなと思った。

案の定2週間後にはもう好きだったし、多分あの人にも私が好きな事バレてたと思います。

その人には昔から付き合ってる彼女がいましたが、好きになってしまった後に気付くと、どうしょうもないものなんですね。

私は別に略奪癖などは一切無いので、先に彼女がいると知ってたら好きにはなってなかったと思います。

 

それから2年間、多大なるご迷惑をおかけして 私もそれなりに傷ついて丁度いいタイミングでふっきれる出来事があったから上書きされて忘れることが出来ました。

 

それまでもたくさんの事があったんです、今だから言えるけど当時は悔しいとか虚しいより、怖いって感情が一番大きかった気がします。それは私自身の気持ちが大きくなりすぎるのも怖かったし、あなたの彼女も怖かったし、何よりなんにも言わずにいつも笑顔なあなたが怖かった。

私が何をしても、彼女がどんなわがままを言ってもあなたは怒ってるところを見たことがありません。

 

唯一の救いだったなと思うのが、私があなたを怒らせようとしなかった事だと思います。

すごく 他人事のように書いてるけど、あの時の私ならこんな考えに至ってしまう可能性もあったから。なんだかんだ好きな人に嫌われるのは嫌だったので、理不尽な事で私があなたに怒ることはあっても、あなたは絶対に私を怒らなかったね。逆にそれが今の私の気持ちを牽制してるのかもしれないです。

 

砕けた言い方になってしまうけど、あなたは本当に馬鹿でした。今もそうかもしれないけど。

私みたいな勝手に好きになってる人間にはどんな態度を取っても構わないけど、彼女がいる人間としては本当にクズで最低な彼氏だったと思います。付き合わなくて本当によかった。

 

そのふっきれる出来事とは、私に新しく好きな人ができたからです。

ううん、本当はもっと前

二人でご飯に行った時に「彼女と別れたらお前と付き合いたい」って言ったよね。いつもの冗談だと思った。笑ってごまかそうとした。「あいつとは別れようと思ってる」

やっと、付き合えると思った。当時は20歳。信じちゃうよね

 

そんな訳ないのにね。ドラマとかで第三者としてこの話を聞いたら「絶対嘘だって、そいつ別れるつもりないって。キープしておきたいだけだよ」っていう自信ある。でも本当にその後彼女とは別れたんです。

 

だからいよいよ来ると思った。やっと願いが叶うんだって思ってた

 

でもその数日後 あなたには新しい彼女が出来てたね。話を聞いたら前の彼女と付き合ってた期間、被ってたんだね。

「彼女と別れたら付き合いたい」「あいつとは別れようと思ってる」その言葉は 私じゃなくてその子に言ってあげるべきだったね。

 

あなたはずっと付き合ってる彼女がいるにも関わらず相変わらず他の女の子と遊んでたんだよね。

 

本当はその時に嫌いになるべきだった。でも嫌いになれなかった。クリスマス前、友達のライブを見に行った時ロビーで話したのが最後だったね。「お前は、友達としてはすごくいい子だけど彼女としては考えられない」

なんて身勝手な人なんだろう。でもその時も怖くて目を見れなくて振り絞った言葉がこれでした。「大丈夫、ふられるって分かってたから。」

 

 最後まで私はワガママを言ったけど

最後まで私は好かれてもない相手にいい女でいようとしました。

 

「良い女」ではなく「(都合の)いい女」にしかなれなかったけど。

 

その決別から2年ほど経ち、私たちは東京で再会しました。お互いがお互いの都合で上京しており、彼はその時に付き合ってた彼女と同棲し、私は仕事を始めてました。

 

久しぶりに連絡を取り合い「お前の家の近くまで行くよ」と言ってくれた彼のその一言は、優しさではなく、彼女にバレたくないからだったんだと今なら分かります。好きという関係がなくなるとこんなにも冷静に言葉を受け取ることが出来るんだと思いました。

 

それから1年半ほど経った今、またひょんな事で私が連絡をしました。何があったのかと言うと彼の彼女からSNSのフォロー申請が来たからです。いきなり。何の前触れもなく。多分昔から監視されてたんだとは思います。 きっと彼女は私が昔彼のことを好きだったことも知ってるのかもしれない。安心してね、今はそんな感情無いからね。

でもちょうどその頃彼は彼女と一緒にいないのをSNSを見て知っていたので軽い気持ちで連絡しました。「今何してるの?」「一人で呑んでるけど」「おたくの彼女からフォロリク来たけど」「はぁ?」てな具合で。

驚いたのは彼は何一つ驚いてなかった。「あの子はそういう子だから。」「俺はそういう子にばっかり好かれる」 …嫌味か?w

驚きもしなければ怒ってもなかった。迷惑かけてごめんね、とは謝られたけど。同い年なのに随分大人だなーと思った。それほど彼女を愛してるのかな?彼女の何がいいんだろう。と久しぶりに胸が痛んだ。ダメだダメだ、今はもうこんな感情持ってはいけない。

その日からも少しだけ連絡を取って、また呑みに行こうよみたいな話もしたけど多分実現しないと思う。私がしんどいから。

 

私もそれなりに恋愛しました。相手の気持ちも考えられるようになりました。今の本心は本当に会いたいよ。会って他愛もない話がしたい。今悩んでることを打ち明けられるのは多分彼しかいない。私が好きだったことがある人や元彼は私の性格の悪いところ全てを見られているから逆に何でも打ち明けやすい。でも、今会ったら確実に頼ってしまう。寄りかかってしまうと思った。それは彼女にも申し訳ないし、彼にこれ以上迷惑をかけたくなかった。好きだからこそ、彼には幸せになってもらいたいと思ったし、(これがバレて)彼女と揉めるかもしれない面倒な事を彼にはもう経験して欲しくなかった。会わなければきっと彼が責められることもない。

 

まぁ多分、責められたところで彼はきっと彼女には魔法の言葉でも使って許してもらうんだろうけど。